賃貸アパート取得のための融資条件の生命保険料

 不動産所得の必要経費についてです。

 アパートを取得するとき銀行から融資を受けます。そのとき銀行から融資をする担保として生命保険に加入してその生命保険の証書を銀行が担保にして、死亡時に支払えないときは生命保険金で借入残を補填するという契約をしたとします。

 この場合の生命保険料は不動産所得の経費になるでしょうか?個人事業者の場合、保険料の取り扱いは法人税より複雑です。このパターンでは保険金受取人が誰かによって、保険料が不動産所得を得るための業務に必要だったかどうかが変わってきます。銀行が生命保険の受取人ですとアパート経営をするため融資を受ける必要な条件になるので保険料は経費になります。またその取得するアパートで初めて不動産所得を開始するときは開始するまでの期間の分は建物の取得価格になります。

 保険金受取人が個人なら、融資を受けるための担保提供となり、個人の生命保険契約で生命保険料控除として使用することになります。

賃料をもらっていない場合の不動産所得の経費

 給与所得者が建物を所有していて、その建物を無料で賃貸しているとき、その建物の減価償却費や固定資産税や修理代や保険代やローンの利息などが経費として認められるでしょうか?認められれば不動産所得はマイナスになり、損益通算で給与の所得税が戻ってくることになります。

 無料で貸している場合や固定資産相当額で貸しているときは、使用貸借ということになり不動産所得の業務としての貸し付けに該当しませんので、経費だけを認めることはできないことになります。これはその他にアパートなどを複数持っていてもその使用貸借部分については同じことになります。

事業主が負担した交通違反費用

 事業主が従業員の交通違反の罰金を支払った場合、経費になるでしょうか。

 従業員が業務中に駐車違反をしたことで、交通反則金とレッカー移動代を警察に支払ったときなどですが、業務中のものでも罰金過料は事業の必要経費にできません。レッカー移動代は罰金ではありませんので必要経費になります。

 罰金を事業主が支払ったときは従業員の給与と考えれば経費になりますが、従業員の方の給与所得になります。

 印紙代などがないことを税務調査で指摘されたときも、後で支払う印紙税は過怠税になり必要経費になりません。罰金の意味合いのものを必要経費にしてしまうと罰金の意味がなくなってしまうからということのようです。

従業員が起こした交通事故の賠償金

 個人事業者の従業員が例えば不注意による交通事故を起こし、その損害として相手の入院費用などを支出した場合、その支出は経費になるでしょうか。

 この場合は事業主に故意または重大な過失がないときは損害賠償金として必要経費になります。またその損害賠償金が12月31日までに未確定であっても、相手方の申し出た金額を未払金として計上できます。この通達の言い回しを考えると、故意=わざと事故を起こさせたときは経費にならない、過失=少しの不注意だったら損害賠償金は経費にしてよい、重大な過失=事故が起こると予想できるくらいの怠慢からおきたのであれば損害賠償金は経費にならない、といった感じかと思います。

 なお損害賠償金の消費税の取り扱いは課税仕入れになりません。

同業者間グループの親睦会費

 工事業者の同業者の方が5人集まり、親睦の為に毎年旅行費用を積み立てている場合、必要経費になるかどうか。このような場合は、親睦の旅行が事業として必要なものなのかどうかで判断します。仲の良い人が集まって親睦のため行うのであれば事業性は低いと考えます。その旅行が研修として行われていて勉強会になる、又は売上げに直結している仕入れ先やお客様も招待しているということになれば事業性があると思います。

従業員のために支払った所得補償保険料

 事業主が従業員の所得補償のために支払った保険料の取り扱いですが、保険料になる場合と給与になる場合があります。所得補償保険は、契約者は事業主で保険料を支払い、事故があるとき受け取るのは従業員というものです。保険料となるのは、一定の基準に従って従業員全員を対象としている場合で、給与となるのは特定の従業員だけという場合になります。

社員旅行の費用

 個人事業者が専従者の奥様と旅行して社員旅行になるかということですが、社員旅行では認められません。研修として必要があり行ったものであれば、その必要性を示す書類があれば経費になると思います。新規開拓の営業先のリストや物件の下見などです。

 従業員がいるときで、4泊5日以内で50%以上が参加する旅行であればその旅行は慰安旅行として、従業員に給与課税する必要はなくなります。参加者に事業主や専従者がいてもその旅行費用も経費になります。条件としてはその旅行の実態が慰安旅行ということになります。目的、企画、金額、行程、主催者などから考えて慰安旅行となることです。

事業主が従業員の社会保険料を支払った場合

 従業員が加入している土建国保を事業主が支払った場合は従業員の給与になります。同じく社会保険料なども従業員が負担する部分を支払ったときは給与になります。従業員の方は事業主が3万円支払ってくれて給与が3万円増えますが、その3万円分は社会保険料控除の対象になりますので、所得税、住民税には影響しないことになります。

 でもこういった処理は面倒なので行うとしたら、給与に社会保険手当3万円と明記したほうがわかりやすいと思います。

従業員にかけた生命保険

 事業主が全従業員を対象に一律で生命保険に加入したときは、掛け捨て保険ですし、返戻もありませんので保険料として必要経費になります。この場合で従業員の中に生計一の専従者である奥様がいる場合はどうなるでしょう。奥様に事故があれば奥様の相続人の事業主が生命保険金をもらうことになります。自分の家族のためにかけた生命保険ともとれますが、全従業員を一律で行っている場合でその中に専従者がいるときは特別扱いしていませんので必要経費になることになります。

人間ドックなどの費用

 事業主の人間ドックの費用はその人間ドックで病気が見つかり引き続き治療をするときは医療費控除になります。その場合は事業の経費になりません。

 人間ドックが薬物を使う事業のため全従業員を対象にして行うなど業務上の必要性からくるものであれば、その費用は事業主や専従者も含め必要経費になります。

製品のデザイン料

 自社で作っている製品のデザイン料を300万円支払ったとき、一度に経費になるでしょうか?そのデザインが意匠登録されているときは無形固定資産になるので減価償却費として費用にしてきます。無形固定資産は、意匠権、実用新案権、特許権、商標権、ソフトウェア、営業権などがあります。意匠権は7年ですので、7年間で定額法で償却することになります。

 デザインが意匠登録されていないときは、その製品のデザインが1年以上の期間継続して使われると考えて、自己が便益を受けるために支出する費用でその効果が1年以上に及ぶものに該当するなら繰延資産になります。変更が多くてそのデザインも1年以上もたないなら一時の費用になります。

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