税務調査の項目 消耗品・修繕費
消耗品や修繕費が税務調査の対象になると聞くと、どの辺が、と考える方もいらっしゃると思います。この勘定科目で税務調査官がチェックするのは、事業でない経費が含まれていないか、資産計上する支出はないかというものです。
消耗品で、電化製品などは注意です。事務所で使っているのか、自宅で使っているのか、どこで使っているものなのかということを聞いてきます。冷蔵庫など自宅でも使えるものは、どこにあるのかによっては100%事業用といえないことになるかもしれません。
例えば、エアコン8万円の場合、これは10万円以下なので経費処理は問題にならないのですが、場所が自宅の場合は事業で使用していると言えるかということが指摘されます。自宅の一室で仕事部屋にしている場所ならOKです。でも、リビングで、そのリビングでも仕事をするが、居住用でもある場合は本来はおかしいのですが事業割合を考えることになります。
この個人的経費の仕訳が問題です。
購入した時 ① 消耗品 8万円 / 現金 8万円 この50%が個人なので
② 役員借入金 4万円 / 消耗品4万円 と自己否認する。
会社に自己否認はおかしいのですが、共有であると言いはってしまえばよいのではと思います。この仕訳を最初からしておけば指摘はないのですが、②の自己否認の仕訳をしていないときが問題です。
もし、個人的な部分があると税務署に指摘されると、②の仕訳は修正申告では
役員賞与 4万円 / 消耗品 4万円
ひどいときは 役員賞与 8万円 / 消耗品8万円 となることもあります。
役員借入金があるのだからその代わりに役員が取得したものです、という主張が通ればよいのですが、その主張が認められないと、役員賞与で所得税が加算、消耗品が減少して法人税が加算と、所得税と法人税の両方から加算されることになります。しかも、加算税と延滞税が付きます。
修繕費も同じです。車の修繕をしたというと、その車は営業車か奥さんの個人の車かみたいに、修繕したものが事業と関係あるのかと聞いてきます。家の修理も同じです。その家が事業用なのか、事業のために修繕したのかといった感じです。
また、修繕費には金額が大きくなることがありますので、そのときは資本的支出かどうかも問題になります。でも、資本的支出は判断が難しいのでグレーなところとしてあまり追及しては来ないところです。明らかに修繕ではないとわかるときは別です。修繕費で金額の大きいときは、内訳を明確にしておかないと突っ込まれることになります。
セコムのカメラセット20万円を修繕費にして処理した場合、その内訳がわからないと資産計上ではないかと指摘されることがあります。防犯カメラセットなどは1単位が問題になります。また、30万円未満なら別表が付いているかどうかも問題になります。勘定科目にもよりますが、30万円未満のとき別表が付いていれば、内訳があいまいでもとりあえず少額減価償却資産の特例で処理できます。