節税

 節税についてのご質問が多いので、会計事務所が一般的に事業者に行う節税対策を書きます。節税とは、税金を少なくすることというより、支払わなくていい税金を払わないことだと思います。課税の繰り延べが節税になるかというと、トータルではあまり変わらないかもしれません。その期やその年に税金を少なくしても、取り戻されてしまいます。永久的に取り戻されないものもありますが、税金を下げるには経費=現金の支出がともない、結果として、手元に残る現金を多くするには税金を払うしか方法がないことが多いです。

倒産防止掛金

 定期預金に10万円積み立てても経費になりませんので税金は変わりませんが、倒産防止掛金に10万円(金額は一定の範囲で自由)を積み立てると、その全額が経費になります。しかも、38か月経過すると100%戻ってきますし、そのあとは利息が付きます。その期が終わるとき、利益があってお金があるので、一度に100万円支払ってもその期の経費になります。会社や事業主の経費になりますので、会社なら給与を上げる必要がなくなり、所得税や住民税や社会保険金額が低く抑えられます。

 期末に一度に経費として認められるのは、節税効果がとても高くなります。国の財団なので倒産することもありませんし、国が認めた税制なので安心して加入できます。商工会や銀行にパンフレットがあります。ネットでも簡単に内容を把握できますし、よくわからないときは相談コーナーがありますので電話すると教えてくれます。

 積み立てるお金は、上限が800万円です。それ以上は積み立てができません。よって、800万円まで貯金が経費になってその分の税金が安くなるということになります。

 では、解約したとき収入になり取り戻されてしまうのだから同じでは、と考える方もいると思います。解約するタイミングは、例えば損失がたくさん出てしまったときとか、特別償却で損失が出たとか、あとは誰かが退職するときなどにあわせると税金が出ないことになります。

 退職金の金額からいえば、社長の奥さんの退職金にちょうど良い金額かと思います。退職金であれば所得税もかからないと思いますので、一番安全で節税効果が高くなります。

 なお、個人事業者で加入していて法人なりした場合などは、個人事業者の加入掛け金を法人に引き継ぐことができます。個人事業者の場合、廃業し解約してしまうと戻ってきた掛け金がすべて収入になり、今まで少なくなっていた税金が一度に取り戻されてしまう可能性があります。個人事業者の場合、事業主本人に退職金を支払うことができませんので、損金を一度にだすことが難しいからです。

 専従者給与をもらっている奥さんへの退職金も出すことはできませんので、身内への退職金による経費で収入をなかったものにすることができません。しかし、法人なりのときはそのまま引き継げますので、一度に課税されることがありません。

 また、法人なりの場合でも新規法人設立でも同じですが、加入条件として1年間の事業実績がなければなりません。この辺も、法人なりのとき個人事業者で加入しておけばクリアできることになります。法人なりするときは儲かっている時が多いので、1年目から節税対策をしたい場合があると思います。そういったとき、個人事業者で加入して法人なりすると条件の1年が最初の事業年度からクリアできると思います。

 さらに、倒産防止掛け金の使い勝手の良いところは、期末に一度に支払えるというところです。例えば、当期は400万円利益が出たとします。決算月が12月なら、12月に一度に翌年一年分として240万円支払うと当期の経費にできてしまいます。短期前払いの特例が認められている経費になります。利益がどのくらいでたかに合わせて金額を期末に決められるというところが、節税対策に有効なところです。なお、一度に支払う場合の上限は240万円です。

 本来の目的は取引先の連鎖倒産防止なのですが、積立金を経費にできるので節税効果があります。

小規模企業共済

 所得控除になるものです。会社から見ると、例えば、給与を5万円多くしても小規模企業共済を5万円積み立てれば所得税や住民税は変わらないことになりますので、間接的に会社の経費にもなります。もらうときは、公的年金としてもらうことも退職金としてもらうこともできますので、どちらにしても控除額があり節税効果が出てきます。

 退職金の控除額は、20年までは1年間で40万円です。それ以上は70万円です。25年働くと計算式に入れると、1,150円までは所得税も住民税もかからないことになります。よって、期間によりますが、1,000万円くらいの退職金なら所得税も住民税もかからないことになります。また、所得が出てもその半分を所得として、さらに給与などと合わせないで分離して課税するので、とても有利な計算になります。これは、退職という仕事がなくなるので、そのお金に課税するのはできるだけ避けるということからくるようです。

 公的年金は毎年もらう方式です。65歳以上と65歳以下で控除額の計算方法が異なります。事業者や会社の代表者は65歳以上まで働くのが普通と思いますので、65歳以上を例にとります。まず、120万円までは税金はかかりません。120万円以上になると、何段階かに控除額の割合が変わるのですが、例えば、公的年金が350万円の場合は3,500,000×0.75-375,000=2,250,000円となり、毎年350万円の年金収入に対して、2,250,000円が公的年金の雑所得となります。年金は老後の生活のためのお金という性質から、控除額を設定しているようです。120万円を超えるとそれほど控除額が高いとは言えませんので、とても有利ということはできませんが、毎年控除額があり何年にも分けてもらうので、積み重なると節税効果があると思います。

 よって、退職金と公的年金にたくさん働いている時のお金をかけて積み立てて節税すると、65歳以上になると控除額の大きい所得に振り替えて税金を少なくすることができることになります。なお、控除額が大きいものは退職金と公的年金以外に給与もあります。よって、給与ももらえるように所得を分散すると、さらに節税効果が高まります。

 小規模企業共済を受け取るとき、廃業などの場合は別なのですが、原則20年以上積み立てないと積み立てた分全額が返ってこないので、加入する年齢に注意が必要です。

 個人事業者や会社の役員などが加入することができます。個人事業者の場合、所得控除で所得税と住民税が下がりますが、事業税などを下げる効果はありません。会社の役員の場合、社会保険の上乗せの意味合いがあります。退職後の公的年金を自分で積み立てるというイメージです。給与所得から所得控除になります。年末調整で所得税が減ることになります。

 公的年金としてもらうか、退職金とするか選択することができます。個人事業者の場合、自分に給与を支払えません。奥さんが専従者としても、専従者には退職金を支払えません。でも、小規模企業共済ですと退職金扱いになりますので、退職金をもらっても、金額によりますが税金はかからないことが多いので節税効果が高くなります。

 なお、個人事業者の場合は、個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)が加入できますので、奥さんが専従者のとき専従者給与をもらいながら共同経営者として認められれば、小規模企業共済に加入することができます。

  所得税率は累進課税です。5%が一番低い税率ですので、実態が説明できる必要はありますが、事業主の所得税率が20%の場合などは、奥さんに5%の範囲で給与を出すことで節税効果が高くなります。その5%の範囲は、給与所得でいうと人によって違いますが年収400万円くらいまでです。

 よって、奥さんに400万円くらい出すと節税効果は高まります。しかし、奥さんが税金高くなるので、そこを抑えるために、共同経営者ならですが小規模企業共済に加入し所得税と住民税を下げることが考えられます。この場合、事業主の個人事業税の計算においても所得税と同じように専従者給与の支払額を差し引く計算になりますので、個人事業税分も節税になってきます。

 しかし、奥さんにいくら出すかは仕事の内容によりますので、節税効果が高い金額だからということではなく、実態から、実際そのくらいだからということで説明できる必要があります。

1/2損金の長期平準保険

 役員退職金などに使用します。死亡補償などがつきますのでただ積み立てるより有利になります。ご家族のいる社長はできるだけ見合った死亡補償が必要になります。また会社に借入金や従業員が多ければ社長の死亡リスクは高くなりますので補償が必要になります。商品によって変わりますが、大体月10万円で補償が3千万円くらいだと思います。掛け金は年齢によって変わりますが、40代前半までであれば95%くらいまで返戻金があり、合わせて節税効果のある商品があるようです。

 社長が元気であれば退職するとき積立金は退職金として戻ってきますので、所得税はないか低くなります。

 1/2損金でなく全額損金の保険もありますが、返戻率や期間が短い設定であったりして特別な場合でないと使いづらいと思います。逓増定期での4、5年解約して会社が売却損を出すものもありますが、だれに売却するかなどによっては一時所得が多くなり所得税の負担も大きくなり、法人税率が下がっているため、リスクがあるものです。それに見合っているほどの節税効果が得られるかは疑問です。条件が合えばよいものもあると思いますが。

元本確保型の確定拠出年金

 確定拠出年金では、加入者自らが年金の運用先を決定し、それに伴うリスクも加入者が負うことになります。確定拠出年金には、元本が保証されないリスク運用型と元本が保証される元本確保型の2種類があります。元本確保型では、元本が保証される代わりに将来受け取れる年金・一時金の利回りも小さくなります。

 確定拠出年金の掛金は、年末調整や個人の確定申告において全額所得控除の対象になるため、節税の手段として用いることができます。また、元本確保型であれば、リスクを負うことなく、将来に退職金として受け取ることが可能となります。しかし、注意する点は、60歳になるまで年金・一時金の受け取りができず、途中解約ができないことです。そのため、急に資金が必要になった場合には、倒産防止掛金のようにいつでも資金を引き出せないことに注意が必要です。

確定拠出年金 イデコ

 平成30年5月1日から確定拠出年金イデコが法人でかけられるようになりました。厚生年金の上乗せの基金と同じように使えるので節税効果があります。対象者は社長も含め従業員全部ですが、一部の人だけを対象にすることができます。

 60歳までかけ続けなければなりません。解約後は一時に受け取るときは退職所得、分割で受け取るときは公的年金としてうけとれます。どちらも受け取るときの所得税は下がります。

 法人で対象者を限定してかけられるので中小企業退職共済や倒産防止共済のような節税効果があります。社会保険料を下げることができるところが、個人の所得控除だけの商品と違うところです。

給与の分散

 給与所得の最低65万円控除の給与所得控除を使って所得を分散して節税にする方法が一般的です。個人事業者の場合は奥様などの青色給与です。会社の場合は、奥様に役員報酬を出しても扶養の範囲であればさらに38万円の所得控除が使えますので、有利になっています。社長の奥様に給与を出すときは会社の利益の状況にもよりますが、所得税の扶養の範囲103万円か社会保険の扶養の範囲130万円までが考えられます。会社が社会保険に加入しているときは、130万円を超えると奥様が社会保険に加入するか国保・国民年金に加入になりますので、所得税や住民税とは別に社会保険の金額も重要になります。

 給与所得のない家族を役員にして役員報酬として月4,5万円支払うとすると、65万円の範囲ですので所得税・住民税・国保税に影響がなくなり、会社の経費になるので有利です。

役員の社宅

 マンションや家など会社で購入、賃貸し役員の社宅として使用すると、会社が支払う家賃と役員からもらう税務上の家賃との差額が会社の経費になります。社長1人の会社でしたら家賃は給与から支払うと給与に対して所得税や住民税がかかりますので、それを下げることができます。

 従業員の社宅も税務上の家賃との差額は同じ経費ですが、この場合会社から見ると給与で出しても家賃で出しても金額は変わりません。従業員の所得税は少し下がりますが、給与をその分もらった方が給与所得が高いというモチベーションになると思いますので、場合によると思います。

 賃貸のマンションでしたら社長が個人名義で借りていたものを会社名義に変更します。このとき敷金とか礼金とかまたとられるならその手続き費用も考慮することになります。例えば家賃15万円のものを会社の社宅に変更します。でも社長はその一室を事務所として使用しているとします。会社は事務所使用部分があるので15万円のうち5万円(仮に)は事務所使用として社宅部分ではなくなります。そうすると社宅として会社が社員または役員に貸しているのは10万円部分です。

 会社は10万円を家賃として経費にできます。5万円部分も経費にできます。10万円部分は社員などに貸しているのですからいくらか家賃をもらわないといけません。そのときおおざっぱですが20~30%くらいもらっていれば大丈夫という通達があります。

 そうすると会社名義に変更すると変更前は5万円だけが経費だったのに10-2=8万円の経費を多く計上することができるようになります。節税になるのですが名義まで変更するほどもうかっていないということもあるかもしれませんし、自宅の事業割合が50%超えているからそこまでしてもあまり変わらないということもあるかもしれませんのでその事例によって違ってきます。

使用人兼務役員の賞与

 節税かどうかわからないのですが、役員に賞与を出したいというときもあると思います。役員報酬は定額にしなければならないのですが、やってみたら予想より儲かっているというような場合です。社長に対する使用人部分は認められていませんので、この場合、他の役員の方に限りますが、使用人部分があるなら使用人部分の賞与を出すことができます。

 これには、形式基準と実質基準があり、この規定によって役員のみとされてしまうときは、使用人部分の給与や賞与を出すことはできません。また、賞与でも時期が違ったりすることもいけません。他の従業員と同じ基準で支払いがされていないければ、役員の使用人部分は認められません。

 実質基準は経営に参加しているかということですから、証明するのが難しいと思います。例えば、給与を決めるのは誰かとか、銀行との借入の交渉をするのときの借入金額とか保証人とかは誰がなるかとか、役員会で発言しているかとかになるのだと思います。

 形式基準は形式的に決まっているので、役職名とか資本金はどのくらい持っているのかとかということで決まります。実質基準があいまいなため、形式基準をきちんと守っていれば、使用人部分があると主張することは可能だと思います。

 でも、もしできるなら、小さい会社でしたら無理に他の人を役員にしなければよいと思います。また、営業面だけを考えて役員にするなら、資本金を出資しない方法でおこなうことがよいと思います。株式会社は、資本金を出資していなくても役員になれますので、問題ないと思います。

 合同会社の場合は、資本金を出資していなければ、社員=役員になれませんからこれは面倒なのですが、資本金を1万円くらいにして、社長は300万円とか差をつけてしまえばよいと思います。

 そうしておけば、実際、使用人部分のある役員も形式基準ではっきり説明して、使用人賞与を出せると思います。

旅費規程

 旅費規程を作成して規定に基づき支出すると、実費との差額は会社にとって経費になります。例えば出張の時ホテル代8千円と規定します。実際は7千円だったとしたら1千円経費が積み上げられることになります。日当なども出せますが金額的に少ないです。たくさん出張する場合はいいのかもしれませんが、実費を経費にする方が経理や考え方は楽だと思います。

税率の差

 所得税率は累進で5%→10%→20%・・、住民税は10%、社会保険は全体が28%くらい(会社負担が14%くらい)、国保は市町村によって違いますがだいたい10%くらい、土建は%ではなく一定の区分による金額の合計、法人税は累進になりますがだいたい22%〜40%くらいこの税率の差を考えてどのくらいの給与を役員に出すかということを考えることが節税になると思います。

 この考え方には、法人税の青色欠損金の繰越控除を加味して考えないといけません。翌年に赤字を繰り越せるのでその期だけのことでなく2,3年の期間での税率を一番低くすることが必要になります。

売上1千万円未満の会社

 消費税は、課税売上1千万円にならなければ納税義務がありません。よって、2つ目の会社とか、会社と個人事業者とか、会社と個人事業者と奥さんの会社とか、奥さんも個人事業者とか、売上が1千万円以下になるように売上が分けられるなら消費税の納税分は必要なくなります。

 しかし、消費税を少なくするためにむりやり分けるのはよくないです。実態が2つになるという理由付けが必要です。例えば、私でしたら行政書士は個人でしかできないので、個人事業者の収入が1千万円未満になり法人とは別になるという感じです。業種が違うので2つに分けざるを得ないという感じのものとか理由が必要になります。・・・作成中

飛行機の一部買取

 飛行機の一部分を買い取ることで節税をすることができます。商品としてはリースのような仕組みになっています。みんなで1口1千万円だしあって、旅客機購入して、その飛行機をANAなどにリースするというものです。・・・作成中

特別償却・税額控除

 特別償却や税額控除というものがあります。特別償却は、100万円償却するとき毎年20万円ずつ5年間でするということが原則でしたら、購入した年に100万円全部償却できるとか、購入した年に30%と普通償却を合わせたものができるとかという制度です。

 結果、100万円のものを150万円償却できるのではなく、100万円の物は100万円しか償却できません。いつ償却するかだけが違ってくるだけです。それでは特別償却は節税にならないのではという気もしますが・・・作成中

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