最大で1,500万円まで住宅取得にかかった金額の贈与が非課税になる制度があります。110万円の基礎控除も1,500万円に加算することができます。この制度の対象は、父母および直系尊属から20歳以上の子または孫に対する住宅取得の資金の贈与です。1,500万円とはもらった人の金額です。消費税が10%になるかどうかで金額が変わります。1,500万円(平成29年10月~30年9月までの契約)、消費税が10%でないときは500万円までが非課税です。
住宅資金の贈与は直系尊属から20歳以上の子、孫などになりますので、配偶者の父とかは含まれません。住宅取得資金の贈与があったときは、その年の翌年の確定申告で贈与税の申告をする必要があります。この制度は住宅の種類や贈与のあった年で非課税の限度額が変わったり、消費税が10%になったときも金額が変わったりするので、上限は贈与するときに確認する必要があります。
この制度も相続税の対象外になります。3年以内の贈与だとしても相続財産に含むということはありません。よって住宅を持っていない直系尊属に資金を贈与し相続財産を前渡しすることで非課税にし相続税対策をすることができることになります。
平成29年10月1日から平成31年6月30日までの間に住宅取得資金を贈与により取得した場合の非課税枠は下記の表のとおりです。その年や住宅の種類、消費税率で変わります。
1 消費税率10%でないとき
(1)省エネ等の住宅
平成29年10月1日〜平成30年9月30日 1,000万円
平成30年10月1日〜平成31年6月30日 800万円
(2)上記以外
平成29年10月1日〜平成30年9月30日 500万円
平成30年10月1日〜平成31年6月30日 300万円
2 消費税10%
(1)省エネ等住宅
平成29年10月1日〜平成30年9月30日 1,500万円
平成30年10月1日〜平成31年6月30日 1,200万円
(2)上記以外
平成29年10月1日〜平成30年9月30日 1,000万円
平成30年10月1日〜平成31年6月30日 700万円
この特例は例えば贈与したのが祖父で孫にしたとします。祖父はその贈与の年に亡くなり相続が発生しても贈与した金額は適正に申告期限までに手続きを取れば相続財産に加算されません。
申告書には、戸籍謄本、登記簿、契約書、住宅性能評価書や優良住宅の認定書、合計所得を証明するため源泉徴収票などを添付します。住宅への入居は贈与を受けた年の翌年3月15日までになります。しかし贈与の翌年の12月までに確実に入居見込みでしたら認められます。
この住宅資金の特例は贈与税の非課税になり贈与税も相続税もかからないことになります。この贈与の金額だけでは新築の住宅を購入するには少し足りないと思いますが、そこでこの特例と合わせて相続時精算課税を合わせて使用することができる制度があります。
相続時精算課税は2,500万円までを贈与した時は課税しないで相続発生時に相続財産に含めて相続税を計算するものです。よって税金がかからないわけではありません。住宅資金の贈与は直系尊属からの贈与でよかったのですが、相続時精算課税は推定相続人とか孫にあたる人が対象で贈与する人は60歳以上という要件があります。
この60歳の要件が住宅資金の贈与の特例にはないため、住宅資金のために相続時精算課税を使用するときは60歳以上という要件をなくしています。申告時には添付書類として、住宅資金の贈与にはない戸籍の付表を添付することになります。戸籍の付表は住所がかわると記録されるものですが20歳以降の付票は50歳でこの制度を受けるときは、日本など転勤で転々としている人などは取りずらいものになると思います。
住宅が新築で取得することはいろいろなものがそこで動くので経済活動に重要です。よって住宅に関する税制の特例は多いです。譲渡所得やそれに伴う損益通算の特例、住宅ローンなどです。